理事長挨拶

ご挨拶

清鈴園の母体となる「社会福祉法人西中国キリスト教社会事業団」が1967年に設立されて、七代目の理事長に就任いたしました。

自己紹介も兼ねてご挨拶をいたします。私は山口県の出身で、高校生であった1976年までは、現在の下関市の学校と教会で過ごしてきました。そして牧師として1985年にこの西中国教区の教会に赴任して以来、当法人の事業である亀の里アパート、広島キリスト教社会館の委員や法人の評議員、理事として関わってきました。また教会から各施設の奉仕活動にも参加して来ましたので、関わりは約40年になります。清鈴園では訪問するたびに、入居者の表情の穏やかさと、職員皆さんの笑顔が印象的でした。関係を通してこの社会における高齢者、障がい者、子どもたち(いわゆる社会的弱者)の課題や配慮について、多くの学びと視座を与えられてきました。法人設立以来、これらの事業が創立当初の理念であるキリスト教主義に基づいて、世の人々-とりわけ弱さやいたみを担う方々-への奉仕のわざとして、運営されていることを大切にしたいと思います。そのことにより神に託された「平和を実現する」(マタイによる福音書5章9節)展望に仕えていきたいと祈り願っています。

 今日、高齢者福祉や子どもたちへのケアは多様な課題があり、それを事業として運営することには多くの困難がありますが、そこで出会う一人ひとりの尊厳が守られ、利用者と働き人との人格的な関わりの中で、満たされた日々を重ねられることがその使命です。そのためにわたしたちは「プロフェッショナル」であることが求められています。この「プロフェッショナル」という語は、もともとラテン語に由来する宗教用語で、神に対して公然と信仰を告白するという意味があります。そこから宗教者、さらに公正さや真実さが求められる専門職を指すようになりました。特に人の抱えるさまざまな弱さ(社会的、経済的など)、かなしみやいたみ(精神的、肉体的)に関わる仕事に就く者は、キリストが示されたように“無償の愛”と忠実さをもって、その働きに携わることが求められているのです。このような思いと期待を心にとめ、清鈴園はもとより、事業団全体の事業に関わる皆が、神と人への誠実さによって、信頼的な関係性を創りあげていきたいと思います。

 初代理事長:藤田祐牧師の1973年度報告書に、「祭司的役割と預言者的役割の2点を担うこと」とあります。これは聖書用語で、「祭司的役割」とは神と人、人と人との間を執りなす働きを指します。今日的に言えば、利用者と職員、その本人と家族、そして周囲の社会全体とをつなげていく働きです。また「預言者的役割」とは、現実を批判的な視点から見つめ、有るべき姿を神の意志に聞きながら展望し、発信することです。現在の介護保険制度自体は改定を重ねていますが、利用者の実態にそぐわない面もあり、負担も増加しています。それらに対し制度を利用する方の側に立って、政府や自治体に適切な意見や提言をしていくことも大切な役割だと考えています。地域の人々と全国の日本キリスト教団の諸教会(約1700)からの期待と祈りと支えがあることを覚え、神の導きのもとに、「いと小さき者」と共に歩んでいきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

                        2025年 11月

                        社会福祉法人 西中国キリスト教社会事業団

 理事長 西嶋佳弘